こんにちは、ライフキャリアコーチのきのこです。
結婚、出産、育児、介護などのライフイベントをきっかけに、キャリアについて悩む方が多いのでは?
そんな今後のキャリアに悩む方に知ってもらいたい、キャリアの考え方についてお話しします。
キャリアの定義
キャリア=職業・職歴と捉えていらっしゃる方が多いかと思いますが、実はキャリアには2種類の意味があります。
狭い意味でのキャリアの定義
厚生労働省はキャリアを下記のように定義しています。
「キャリア」とは、過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すものです。「職業生涯」や「職務経歴」などと訳されます。
(引用)平成14年7月、厚生労働省「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書
これは一般的に考えていらっしゃるキャリアの意味に近いと思います。
広い意味でのキャリアの定義
特に知ってもらいたいキャリアの考え方が、キャリアコンサルティングの発展に大きな影響を与えた、ドナルド・E・スーパー氏のキャリアの定義。
キャリアとは、「生涯を通した自己概念の発達と実現の持続的なプロセスであり、自己概念を現実に対して検証し、それにより自己に満足すると同時に、社会に有益となるものである」。
(引用)「キャリア開発と統合的ライフ・プランニング」サニー・S・ハンセン著
それは「キャリア=人生そのもの」だってこと!
キャリアとは単に一時期の職業や職歴の意味だけではなく、人生それぞれの年齢や立場(ライフステージ)における様々な役割(ライフロール)の組み合わせ(=ライフキャリア)で成り立っているということです。
ライフ・キャリア・レインボーとは
ドナルド・E・スーパー氏は、「人は人生において複数の役割を、生涯を通じて果たしている」とし、それを虹に例えて、「ライフ・キャリア・レインボー」というキャリア理論を提唱しました。

(引用)Donald E., Ph.D. Super、Branimir Sverko、Charles M. Super編『Life Roles, Values, and Career International Findings of the Work Importance Study』(Jossey-Bass Publishers刊)の24ページの図を基に簡易化し、日本語で表記
医療やITの発達で、今や日本は長寿の時代(人生100年時代)になり、より長く楽しく人生を過ごすために、先を見据えた人生設計が必要になります。
そのため、ライフ・キャリア・レインボーのように仕事のキャリアだけでなく、家庭、趣味などの将来の変化を見据え、多角的にキャリアを構築していくことが必要です。
8つの役割(ライフロール)
人生には大きく8つの役割(子ども ・学生 ・余暇人 ・市民 ・職業人 ・配偶者・家庭人 ・親)があり、歳を重ねるごとに、役割の重なりは増えていきます。
そのため、たとえ職業人としての自分が完璧だったとしても、他の役割を疎かにしていた場合、人生に支障が出てきてしまいます。
ライフキャリアレインボーでは、自分個人だけでなく、周りを取り巻く環境も含めて、自分のキャリアを考えることを重要視します。
①子ども
家庭の中で保護され、親と関わる時間が大半を占めます。年齢が若いうちは大半をこの役割が占め、成長に伴ってこの役割から離れていきます。
②学生
小学校〜大学までの学業に取り組む時期。社会人となり働きながら学校に通う人も学生の役割も兼ねます。
③余暇人
スポーツや文化活動など自身の好きな事を楽しむための役割。
④市民
社会の一員として、利益を求めず社会貢献のために活動する役割。ボランティアや子どものPTA、地域活動などがこれにあたります。
⑤職業人
アルバイト・会社員・自営業など「働く」人すべて職業人です。
⑥配偶者
夫・妻の役割。法律上の夫婦ではなくても、共に生活を送るパートナーとしてのこの役割に当てはまります。
⑦家庭人
親元を離れてから始まる家族の一員としての役割。例えば、掃除・洗濯・食事作り・買い物など家庭を保つのに必要な活動のことです。
⑥親
子どもを持った時から始まる役割です。子どもに対して最低限の生活の保障・教育を行い、子どもを養育する義務を持ちます。
5つのライフステージ
ライフキャリアレインボーでは、下記5つの時間軸(ライフステージ)で8つの役割を考えていきます。
①成長段階(0〜15歳)
学校生活や家庭での家族との関係によって、自分自身を形成し知る期間。「仕事」に対する関心や積極性を高める時期でもあります。
②探索段階(16〜25歳)
学校生活・家庭・仕事において、その経験を元にトライ&エラーを繰り返し成長する時期。生涯の仕事を模索する時期でもあります。
③確立段階(26〜45歳)
生涯の仕事について模索し続けることで、キャリアビジョンが明確となり、その仕事においての専門性を高める時期。
④維持段階(46〜65歳)
これまでに得た経験や地位を守る時期。
⑤下降段階(65歳以上)
仕事をはじめとする活動を、精神的・肉体的な衰えから引退する時期。味を楽しんだり、退職後に新しい役割を得るなどして、「セカンドライフ」を謳歌する時期でもあります。
【ワークシート付き】ライフ・キャリア・レインボーの書き方
そんな方のために、ライフ・キャリア・レインボーを使ったキャリアの見直し方について教えます。
ワークシートはコチラ
ステップ1:現状を知る
現在の生活において、それぞれのライフロール(役割)にどのくらいの時間やエネルギーを使用しているかを記載しましょう。
合計で100%になるように振り分けた後、各ライフロールの具体的な出来事について書いてみてください。
ステップ2:過去を振り返る
時間軸はお任せしますが、5年前、10年前など0〜15歳(成長段階)まで過去をさかのぼって記入していきます。
現在のそれぞれのライフロールの割合が、過去はどうなっていたのかを確認します。
ステップ3:将来を考える
次に、現在のライフロールが将来、どうなっていくか、どうありたいかを想像して書いていきます。
また、具体的な目標があれば、記載してみてください。
過去同様、時間軸はお任せしますが、65歳以上(下降段階)まで考えてみるのがオススメです。
ステップ4:将来に向けて今何をすべきか考える
出来上がった「ライフ・キャリア・レインボー」を見て、将来のライフロールの変化に備えたり、自分が理想としているライフロールのバランスを達成するために、今何をすべきかを考えてみてください。
ライフ・キャリア・レインボーを通じて自分自身への理解を深めよう
キャリアは仕事だけではなく、人生全般として考える「ライフ・キャリア・レインボー」。
ライフ・キャリア・レインボーを書くだけでも十分、人生や自分自身を見つめるとても良いきっかけとなりますが、
誰かに話す⇨質問を受けて改めて考え直す⇨言語化する
というサイクルを繰り返すことで、さらに理想の人生や自分自身に対する理解が深まります。
自分自身への理解を深めるための手段として、コーチングやキャリアカウンセリングがあります。

現在コーチングを気軽に体験いただける、無料カウンセリングをご用意しておりますので、コーチングにご興味ある方はお試しいただければと思います。
その他ご不明点やご質問がある方は、下記Q&Aをご確認いただくorLINEよりお気軽にご連絡ください。
